あなたはコロナワクチンを接種しますか?

あなたはコロナワクチンを接種しますか?

どっちなのか、キニナル!
新型コロナウィルスの止まらない感染拡大に対する人類の唯一の武器と言われるワクチンですが、接種の開始が迫る日本でも、なぜか打ちたくないという意見が目立つようになってきました。アメリカやイギリスで広がる忌避派との分断を埋めることはできるのでしょうか。
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ワクチンに懸けられた期待は高まる一方

中国の湖北省武漢市で新型コロナウィルス感染症が発生してから1年以上。2021年1月23日午前3時現在、新型コロナウィルスの全世界感染者数は9,778万人、死者数は209万人に達し、世界経済は大打撃を受ける非常事態にあえいでいます。

このコロナウィルスに対する唯一の対抗手段として、人々が待ち望んだものがワクチンの開発でした。
予防的に接種することにより体内に抗体を作ると、感染してもウイルスが体内で増殖せず、他人に感染させるリスクを減らせるというものです。

日本で国内製薬メーカー各社でワクチンの開発が遅れる中、すでに米・英・EUでは米ファイザー社・英アストラゼネカ社・米モデルナ社製のワクチン接種が始まっており、1月21日までに5,611万回が接種されています。ちなみに最も多く接種されているのはアストラゼネカ社のワクチン。人工的に作ったRNA(コロナウイルスと同じ構成のたんぱく質)をヒトに投与する「RNAワクチン」です。

菅首相は、2020年10月の所信表明演説で、2021年前半までにすべての国民にワクチンを提供できる数量を確保すると表明しましたが、年が明けた1月22日、「サプライズ人事」でワクチン接種の担当に起用した河野太郎規制改革相が「まだ供給スケジュールは決まっていない」と発言し、この方針を事実上撤回しました。ワクチンの接種については、マイナンバーシステムと連携した一元管理の仕組みなど、まだ紛糾しそうな要因が山積しています。

「ワクチンは打たない」とする人々の存在

中でも混乱の元になりそうなのは、ワクチンの接種に消極的な意見の存在です。

上記したように、アメリカではすでに新型コロナワクチン接種が始まっていますが、4分の1以上、もしくは3分の1の国民がワクチンを接種しない意向だと言います(前者はカーネギーメロン大学、後者は調査会社Ipsos MORIの調査による)。その背景には、ワクチン接種した人の0.2%がアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示したという情報があります。

イギリスでも「アンチ・バクサー」と呼ばれる反ワクチン主義者や、安全性や効果に疑問を抱く人々による接種反対運動が活発化。誤情報や根拠のない陰謀論がSNS上で飛び交い、国民の5人に1人が接種を拒否する意向を持っていると言われます。

最も国民が消極的な国はロシアで、上記Ipsos MORIの調査に対して47%がワクチンを接種したくないと答えました(「やや反対」が24%、「強く反対」が22%)。その他の国では、スペインで72%、ドイツで67%、イタリアで67%、スウェーデンで67%、フランスで59%が「やや賛成」または「強く賛成」と回答しています。最も積極的なのは中国で、ワクチンを接種したくないと答えた人はわずか3%で、97%は接種する意向でした。

また、ロンドンとイングランド南東部で急速に拡大した変異種の問題もあります。またたく間に日本を含む各国に広がったこの変異種は、感染力が従来種の最大1.7倍だと言われます。既存のワクチンはこの変異種にも効果があると言われますが、「さらに変異が進めばワクチンの有効性は揺らぐ」ということでは専門家の見解は一致しています。

このようにワクチンをめぐって多くの課題があるため、なおさら接種に積極的になりきれない人が増えているのが現状です。

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大多数の人がワクチンに消極的な現状

YAHOO!ニュースでは「ワクチン接種のタイミングについてどのように考えていますか」というアンケートを実施中で、1月23日現在、23万4千人強が回答しています。

ヤフーニュース「みんなの意見」「ワクチン「2月下旬までに接種開始」、あなたの考えは?

これによれば、すぐに接種を受けたいという人は25.9%にとどまり、接種に消極的な人(「受ける気がない」「様子を見てから」)は7割を超えているようです。

さらに「日経バイオテク」が行ったアンケートは、医師やバイオ・製薬業界の人6,830人に同様の質問を投げかけたものでしたが、その結果は衝撃的なものでした。

日経バイオテク「新型コロナウイルスワクチンについての緊急アンケート」

いわば医療の世界のプロの立場であっても、積極的に新型コロナウイルスのワクチンを接種したいと考えているのは、そうでない人にくらべてむしろ少数派ということになります。

さて、ネット上ではどのような声があるのでしょうか。

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コロナワクチンの接種に消極的な意見

まず、「ワクチンを打ちたくない」という人の声。

眺めていくと、嫌悪感むき出しの政治的なツイート、いまだにハッシュタグ「コロナはただの風邪」を付けている人、「ワクチン推進論は多額の利益を得ている製薬会社の陰謀だ」というような陰謀論に基づく誤解なども渦まいていますが、根底にあるのは「得体のしれないもの」への警戒感です。

もとより、副反応がゼロであるワクチンは存在しません。打った場所の痛みや腫れ、めまい、失神、発熱、気分の悪さなどに始まり、アレルギーやアナフィラキシーショック、非常に稀ですが脳脊髄炎などの重篤なものも100万分の1ほどの可能性があるとされますので、ワクチンをおそれる感覚がすべて誤っていると断じることはできないのです。

コロナワクチンの接種に積極的な意見

それでは次に、ワクチン接種に肯定的な意見。

接種に肯定的な意見を持つ人たちは、コロナ禍をゼロにするためにはワクチンが必須だと考えているようです。
ワクチンが接種できる体制を進める、政治や行政に携わる方のツイートもあります。

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ワクチンをめぐる分断

ほんの少し前まで、新型コロナウィルスに打ち克つための唯一の希望として、世界はワクチンを切望し、接種開始をヤキモキして待っていたはずですが、待ち望んでいたものをいざ前にして、熱が冷めたように不安要素がクローズアップされている現状があります。

新型コロナ発生前の2019年、WHOは「ワクチン忌避」を「世界的な健康に対する脅威トップ10」のひとつに選びました。日本政府は2020年12月に予防接種法を改正し、原則として全国民に接種の努力義務を課しましたが、ワクチン(Vaccine)という言葉が生まれる前から論争を続けてきた忌避派は、その義務化こそ個人の自由を侵害するとしてきました。かつて、そのような動きが麻疹や百日咳の流行を止められなかった原因にもなったのです。

ワクチンの接種をめぐっては、貧困国における貧富の分断も指摘されているのですが、インターネットによってますます先鋭化するポピュリズムの問題も指摘できると感じます。

事実を示すことは反対の信念をもつ人を説得する役には立ちません。知性は偏見と直感に打ち克つことはできず、多くの場合、偏見に満ちた言葉の側こそ、人々の感情を突き動かすことになるからです。WHOは、新型コロナウイルスワクチンの接種を義務化するのではなく、ワクチンのメリットについて説く方がはるかに効果的だと判断しています。
すべての人の健康を守るには、人々が分断を超えて歩み寄り、互いを理解する機会が必要なのです。
 

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みんなの意見(6件)

    
    

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