説教スナック「わたしの浄化待ち」とは

「これで前向きに仕事をし、生きていける」

わたしの浄化待ち フロアレディーたち
フロアレディーは、普段は会社のトップや役員や専門職のプロフェッサーたちだ。

さて、今回開催された「わたしの浄化待ち」でも、酒場のような空間に「フロアレディ」が待っていた。
レディたちはそれぞれに昭和の歌謡スターに扮している
奥村チヨ、加賀まりこ、アン・ルイス、ジュリー(沢田研二)、八代亜紀、森昌子、松坂慶子、小柳ルミ子……錚々たるラインナップだが、彼女らは、普段は会社のトップや役員や専門職のプロフェッサーたちである。
ある意味狭い神戸のコミュニティの中で「わたしの浄化待ち」の噂を聞きつけ、自分も「フロアレディ」になりたいというリクエストが相次いだ結果、そのような女史たちが、真剣に本気のメイクや衣裳によって、一夜だけの「フロアレディ」に変身したのだ。

参加者はお酒を片手に、お気に入りのフロアレディの席前に着き、そこで悩みや困りごと、気になることなどをレディに吐露する。

「嫁に困っている」「子どもが心配だ」……。さまざまな悩みに苦しむ参加者にフロアレディが「説教」を垂れる。

中には昼間の世界では絶対に誰にも相談できないような真剣な悩みごともある。フロアレディはそれを真剣に聞き、斜め上から目線での「回答」を、時には説き伏せるような形で「説教」する。
仕事上の苦悩、家庭の不和、よんどころのない事情、現在・過去・未来に於ける様々な悩みや苦しみや不透明な事象。中には「嫁に困っている」「子どもが心配だ」といったシビアな内容も吐露された。レディたちが昭和の歌謡スターに扮しているので、あたかも高級クラブやラウンジにいるかのように錯覚し、高級ママさんにすべてを預けるように話してしまうのかもしれない。日常には存在しない、非日常の舞台だからこそのやりとりである。

参加者は叱られ、説教されてはじめて自分の悩みの小ささに気づく。

「そんなのどーでもいいんじゃない」
「アナタ、真面目に考え過ぎだよ」

参加者の一人、神戸・長田区でタクシー会社を営む男性(60代)は、次のような言葉を残して、満面の笑みで神戸まで帰っていった。
「お昼の世界では交わすことのできなかった『交信』をした。これで明日から更に前向きに仕事をし、生きていくことができる」。

斜め上からレディにずばりと言われることで、己の苦悩が自分だけの妄想であるというように認識が改められ、「浄化」された参加者は、その場から得られた気づきや発見を「ご託宣」という形で短冊に書き、それらを壁に張り出した。

これらを見ると、そこから新しい気づきや出会いや問題提起がスパークしていることが了解される。

「受け入れる」
「あと20年 全力投球」
「嫁とは来世も一緒」
「たくわえて飛ぶ」

参加者が正しく(?)浄化され、アップデートのきっかけを掴んだことがわかるのである。

 

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