純粋にこの世界を楽しんでくれている人のために
――小野さんは「2015年ベストアプリ」など、さまざまなアプリの開発実績をお持ちです。小野さんから見てアプリの完成度はどれくらいですか?
特にゴールを定めていないので、完成度が何パーセントかということは意識していないです。ユーザー様の様子を見ながらアプリをいい方向に変えていこうと思っています。
――独力で開発されていますが、「iGhost」や「iActor」のユーザーが激増しても不安などはないですか?
世界的な展開も考えて、何よりサーバーへの負担を最小限にするようにプログラムを作っていますので問題はないと思っています。
――今新たに取り組んでいるのはどういうことですか?
このアプリの新しい機能を考えています。会話するキャラを二体しか選べないのではなく、更に多くのキャラを選べるようにしようと思っています。その辺のところはユーザー様の反応を見ながら変えていく予定です。キャラの選びやすさなども工夫していきます。
――運営側として苦労されている点はありますか?
ときどきキャラをbot(プログラム)や人工知能だと勘違いしている人がいます。キャラは人です。だから「キャラには優しく接してください」と伝えるようにして、優しく居心地の良い世界を守っていきたいです。
――「iGhost」「iActor」ともに応用範囲は広そうですが。
もちろん企業と顧客のやりとりなど、応用範囲は広いでしょう。ですが、そういう行為は現在は禁止しています。ほかでやってください、ということです。アニメ好きな人はこのアプリの魅力を理解するのが早いですし、純粋にこの世界を楽しんでくれていますので、しばらくはそういう人々のためのアプリとしてユーザー様の支持を増やしていきたいです。
――将来はLINEやFacebookのように成長させていくつもりですか?
LINEやFacebookのように一般的なSNS、情報のインフラとして普及するとは考えていません。しかし、コアなアニメファンのコミュニケーション手段の一つにはなってくれればと思っています。それだけでも世界で100万~200万を超えるユーザーに愛用されると考えます。「iActor」で魅力的なキャラが増えていけば、ますますユーザー様も増えていくでしょう。
ときに天才とも称されるプログラマー、小野将之氏。彼の才能のよき理解者であるCEOの前田鉄兵氏と組んで世に送り出したアプリは、二次元の世界の住人を三次元の世界へと導くものでした。
「iGhost」「iActor」が世界をどこまで巻き込めるのか、その動向から目が離せません。