「神戸、大人の小学校。」開催レポート

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2時間目(国語)
石田香織先生「ものがたりはどこにある」

【石田香織】兵庫県加古川市生まれ。会社勤務の傍ら森田雄三創作塾にて創作を学ぶ。現アイ、神戸市在住。『きょうの日は、さようなら』(河出書房新社)、『哲司、あんなのような人間を世の中ではクズと余分やで』(河出書房新社)、『うめももさくら』(朝日新聞出版)

2時間目の授業は船を出すシーンの朗読で始まりました。
構想中の次回作を石田さんの次女さんが読みます。それはラストシーンでした。作家が次回作のラストを発表するのです。石田さんは笑って「空想と思い付きです」と仰います。

石田さんは、イッセー尾形の演出家・森田雄三さんの弟子でした。森田さんは、何もない空間に立ってそのときそこにあるものを拾っていく方法で演出されていて、石田さんはそれを紙の上でされています。

ニコニコした男性を壇に上げ「この人はどんな人ですか」と問います。正解を手放し、無責任に空想することが大切なのです。「エリザベスという大型犬を飼っている」や「接客関係の社長」という意見が出ました。石田さんは「囚われていて、自由でいたい人」と言い、「まじめな経理マン」で「町工場で家族経営の嫁の実家で働き、数字の間違いができない人」、「20年間の孤独を紛らわせるのがエリザベスとの散歩」だと。ニコニコは「生き抜くための笑顔」だと定義しました。「物語の種」を広げるのが創作です。

石田さんは「飛鳥涼と結婚するという妄想」から女優を目指し、森田師と出会いました。
師匠から「ちゃんと生きなさい」と叱られ、「小説を書きなさい」と教えられ、二人三脚で文藝賞に応募して作家への道がはじまります。選考委員の保坂和志さんは「創作者は人に付く」と言われました。石田さんには今、その意味が分かってきました。
何よりも「私とあなたを発見すること」が出発点で「肌触りと実感」が大切だと仰います。みんなが「何かのプロ」でそれぞれに役割もあります。
「自分の書いたものが自然とメッセージになる」と、今の感性を信じて大切にされ続けている石田さんでした。

 

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