学校教育に疑問を抱いて一念発起。子どもの意欲をかきたてる人材とは?

学校教育に疑問を抱いて一念発起。子どもの意欲をかきたてる人材とは?
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子どもの頃、おそらく大半の人が嫌いだった学校の授業や宿題。そんなイヤイヤを「好き」に変えてくれる先生が、「探究学舎」という教室にいました! 好奇心旺盛な子どもを育てる授業とはどのようなものなのでしょうか?

子どもが自分から学びたくなるような授業を提供

 

――御社はどんなサービスを提供されていますか? こだわりや特徴などを教えてください。
『驚きと感動の種を蒔く』というコンセプトのもとに、子どもたちがもっと知りたくなるような授業をお届けしています。従来、勉強というと、知りたくもないのに無理やりやらされるようなイメージがあったと思うのですが、僕たちは、自分の好奇心や情熱を高めるために学べるような授業を行っています。
――たしかに、子どもは勉強が好きじゃないというか、テストで良い点を取るために勉強しているようなところはありますよね。どういった授業なのですか?
ちょっと難しいのですが、『自然の神秘と人類の叡智』ということがテーマなんです。
――「ちょっと」どころか、すごく難しそうです。
たとえば、『宇宙とはどのようなものなのか』。137億年前にビッグバンによって宇宙が始まったという知識を、すでに人間は手に入れています。でも、そんなことをどうやって知ったのかと聞かれると、なかなか答えられる人はいませんよね。
――はい。まったく想像もつかないです。
見たこともやったこともないのに手に入れたそういう知識には長い歴史があります。そこには、まさに人類の叡智というべき驚天動地の科学的発見があるわけです。そういったことを子どもたちに教えているんです。
――なるほど……。
 
(実際のインタビューでは、この後、宝槻氏は50万円もする118個の元素の見本を私に見せながら、元素の魅力を熱く語ってくれました。私は、じつは理科好き。久しぶりに思い出せてテンションが上がりました。)

探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸氏インタビュー

現実の世界でこそ、ときめきを見つけてほしい

探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸氏インタビュー
 

――どういった生徒さんが多いのですか?
小・中・高の生徒さんを対象に授業をやっていますが、メインは小学生ですね。保護者の方の中にも、興味があると言って見学しに来られる方がたくさんいます。
――そうなんですね。保護者の方向けの授業というのもあるのでしょうか?
さすがにそれはなくて、子ども向けにやっている授業を後ろで見て、そこで保護者も興味を持つといった感じです。
――面白そう。私、じつは中学生の子どもの母なのですが、やっぱり子どもに興味を持たせるためには、小学生のうちから始めないと難しそうですね。
中学生からでも大丈夫ですが、そのころには高校受験もあるし、学校の定期テストもあって、余裕がなくなってしまうんです。小学生も中学受験をする場合もありますが、まだ『探究』をする余裕があるんです。
――ああ、もう少しこの話を早く知っていればと、今、悔やんでいます。生徒さんからはどのような感想がありますか?
自由で、自分のスタイルで参加できるところが、『学校の授業と違って楽しい』と言ってもらっています。
――それはなにより! 授業受けている子たち、みんな笑顔でしたものね。教えていく上で、変わった反応をする子などもいましたか?
そういうエピソードは、枚挙にいとまがないほどあります。たとえば、恐竜にすごくハマった子がいて、1000年分の歴史を自分で表にして、写真も貼って、コメントも入れて作ってくれました。
この実物を見せてもらったのですが、20mほどの横長の紙に、写真やコメントがびっしりと詰まって、写真では納まらないほどでした。すごい熱中ぶりが伝わってきます。
博物館に行くようになったということをよく聞きますね。恐竜や元素は博物館にもたくさん展示してありますから。でも、そういったものは、知らずに見に行っても、よくわからないから、あまり面白くない。授業を通して世界観や基本を学んだ後に行けば、とても楽しめるようになります。そういう姿を見ると、ちょっと『しめしめ』と思ったりします。
――お子さんがいる家庭はどこでもそうだと思いますが、今の子どもたちは、YouTubeやマンガ、テレビゲームなどの世界にすごく時間を奪われていますよね。子どもの頃はそういったことが楽しくてしかたありませんでしたが、大人になってみると、すごくもったいないことをしたような気がします。
探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸氏インタビュー
子どもというものは、いつも驚きや感動を求めているんです。『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』に惹かれるのは、そこに驚きと感動があるからです。でも、そういった世界は全部フィクション、作り話ですから、そこで感動しても人生は変わりません。それなら現実の世界にときめいたほうがいいわけです。宇宙、プログラム、自動車、何でもいいのですが、現実の世界から、自分がときめくものを見つけて夢中になっていけば、その先には『さかなクン』のような将来が待っているかもしれない。僕はそういうことを具体的に提案してあげたいんです。今、それが少しずつ現実になって、『宇宙くん』や「元素くん』がうちで生まれている。お風呂に入っていても元素のことを考えている子がいて、その子は、あきらかに、元素にときめいているわけです。
――たしかに、親としては、何か実になるものに夢中になってほしいという気持ちはありますね。自分が子どもの頃は、フィクションにばかり夢中になっていたわけですから、あまり強くは言えませんが。

高校を中退。日本の教育に常に疑問を持っていた

 

――探究学舎を創業されてからの歴史や、現在の事業ステージについて教えてください。
創業したのは5年前です。今は発展途上ステージにあると思っています。訪れた方の期待をしっかりと受け止めて、来て良かったと思ってもらえるように頑張っています。
――事業を始めるきっかけには、どんなことがあったのですか?昔からそういう興味があったとか。
僕自身は、高校をやめているのですよ。
――え! そうなのですか。
はい。日本の受験教育にまみれた学校教育に失望して、高校中退して、のちに大検を取って京都大学に進学したんです。そういったプロセスで得た思いが、一番のきっかけでしたね。だから教育というものにすごくモヤモヤ感を持ったというか、今の日本の教育はこれでいいのかと思っていました。そう思いませんか?
――あります、あります。
『こんなこと学んで何になるの?こんな授業、クソだろ』みたいな(笑)。僕だけではなく、多くの子どもたち、若者たちがみんなそう思っています。苦手で面白くもない数学を勉強するより、アートに挑戦したり、小説やゲームを読んだりプレイしているほうがいいと思っている。僕もそうでした。その出発点が、学校教育への疑問だったわけです。
――宝槻さんも、若い頃にはゲームにはまっていたんですか?
やっていましたよ、それこそ『24時間耐久桃太郎電鉄』とか。マンガもたくさん読みました。でも、得られるものはなかったですね。
――何かにハマる体験をした子のほうが、これだ!というものを人生で見つけられるんでしょうね、ちなみに、これまでに苦労したことは、どんなことでしょう?
驚きと感動を子どもに届けることは、こんなにも難しいことなのか、という苦労はありました。驚きと感動を作るということは、やはり一流の仕事なんです。でも、創業当初の1年目、2年目のころは面白く伝えられないから、聞いている子どもが寝てしまうのです。今では絶対に満足させる自信があるんですが、最初は悔しくて、試行錯誤の連続でしたね。教材づくりのような地味で面倒なことを徹底的にやりました。夜な夜な一人で、パワーポイントに効果的な写真が出るように設定を組み込んだり。たった5秒の説明のための写真をネットサーフで2時間かけて探したりしていました。
――本当に地道ですね。ハマる気質だったからこそできたのだと思いますよ。

求む、子どもたちに感動を届けるファシリテーター!

探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸氏インタビュー
 

――今後、探究学舎のことをどういう人に知ってほしいですか?
基本はやっぱりユーザーですね。学校や塾の学び方がうちの子に合っていないから、子どもがもっと勉強を楽しんでくれたらいいのに、と考えている保護者の方に出会いたいです。
――そうですよね。塾に行っても成績が上がらなかったら意味ないですからね。では、もし人材を募集される場合は、どういった人が御社にマッチすると思いますか?
僕らが今探しているのは、ファシリテーションの技術を持った人です。これは、一言でいうと、明石家さんまさんが持っている技術みたいなことですね。
――ええっと……頭の回転が速い、ということですか?
そうです。場を沸かせる司会進行技術です。
――さんまさんは本当にすごいというか、天才ですよね。フリートークだけで番組をひとつ作れますもの。その技術を求めるというのは、かなりハードルが高いですね(笑)。
そうです。御社に合う人材は明石家さんまさん。真面目にお答えすると、子どもたちの学び合う場を進行できる能力を持った方。あるいはそういう熱意のある方ですね。子どもたちが驚いたり感動したりする場を作りたい、という人は結構いると思うのですけどね。
――できる、できないを別にすれば、やりたい方はたくさんいると思います。
『驚きと感動の種を蒔く教室』は結構口コミでも評判がよくて、うれしいことに、全国にファンが増えています。夏休みになると、高い交通費をかけて、この授業を受けるためだけに九州や北海道など遠方から来てくださる方もいるんです。そこまでして来ていただける方のために、全国各地で授業をお届けできるようにしたいです。
――それが叶ったら素敵ですね! 実現するためにはどうすればいいと思われていますか?
明石家さんまが50人いれば。
――出た、明石家さんま(笑)! でも、育てなきゃならないじゃないですか。
はい、育てなければなりません。そこからですね。だから本当にもう、明石家さんまさんのような人がいたらいいと強く思っているんです。
――全国各地に出張に行かれていらっしゃいますよね。地方ではどのくらいの生徒さんが集まりますか?
100~150人ぐらいですね。日帰りのときもあれば、一泊二日で行くこともあります。
――なかなかハードですね。子どもたちの将来のためにも、ぜひ面白い授業をできる人が加わってほしいですね。では、最後に、何か読者の方にメッセージをお願いします。
どんな職種、どんな業界でも、そこでの一流の仕事に問われているのは、驚きと感動を届けることだと思います。だから、僕は教育という業界で、子どもに驚きと感動をお届けしています。

探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸氏インタビュー

キニナルWEB インタビューを終えて

「一生懸命勉強することに、どんな意味があるの?」
宝槻さんも私も含めて、たくさんの人が子どもの頃、そんな本質的な疑問を一度は抱いたことがあると思います。ほとんどの人は、そういうものだと周りに流されて大人になり、日々の仕事に追われるうちに、勉強の意味などを考える余裕も失ってしまいます。そんな中で、宝槻さんは行動を起こして、たくさんの子どもたちに知ることの楽しさを伝える先生になりました。
宝槻さんの授業で大切な感動と驚きを受け取った子どもたちは、将来どんな世の中を作っていくのでしょうか? 10年後、20年後の未来がすごく楽しみな榎並でした。キニナルWEB


    
    

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