本場フランスのシェフと共同開発!洋菓子の魅力を底上げする函づくり

本場フランスのシェフと共同開発!洋菓子の魅力を底上げする函づくり

函屋の未来を守り、函の価値を伝える活動をしていきたい


 

――このお仕事をされて9年目とのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
僕はもともと某ゲーム会社にいまして、ゲームセンター向けの営業をやっていたのですが、父が60歳になる手前に跡を継がないかという話が出たのがきっかけですね。
――なるほど。後を継ぐ形で始めたのですね。ちなみにお子さんはいらっしゃるのでしょうか?
6歳と3歳の息子がいます。
――子どもに跡を継いでほしいという気持ちは?
僕としては会社を続けたいという思いがありますが、自分の子どもには好きな道を選んでほしいので、従業員さんに続けてもらう選択肢も取れるようにしていきたいです。函屋さんの業界はなかなか厳しくて、ここ10年で4分の1くらいはつぶれているのですよ。
――お子さん思いの素敵なお父さん。それにしても本当に厳しい業界なのですね。
「対策としては、今年から紙器工業組合の荒川区の理事に任命されたのですが、つぶれていく会社が多い中で、生き残るために、函屋さん同士で横のつながりを持たせる活動をしていきたいと考えています。
――業界全体のことまで考えていらっしゃる!今後AIが発達して職人さんも減っていく可能性があると思いますが、そうなった場合、御社はどうしていこうと考えていますか?
ベテランの人にしかできない仕事も、もちろん一部にはあると思うのですが、最終的には誰がやってもできるという話にはなると思います。将来的に生き残るのは、機械では真似できない専門性を持った人たちになるのではないでしょうか。
――私としても、包装や函というのは、手仕事ならではの良さがあると思うので、できるだけ残ってほしいなと思います。これから御社のことをこういう人に知ってほしいというのはありますか?
「函が持つ価値や意味に気が付いていない人は、まだたくさんいると思うのですよ。備品を入れる函にしても、ほんの少しアドバイスするだけで組み立てやすい形状に改善できることもあるので、そういう困りごとを抱えている人たちに会って、相談に乗ってあげたいですね。
――組み立てやすい函というのは具体的にどんなものなのでしょうか?

現場で使う人が分かりやすいように工夫された函ということです。荒川区では、敬老の日に、障害者の方が作ったクッキーをおじいちゃんおばあちゃんに渡すイベントがあるのですが、障害者の方がその函を組み立てる際に、シールを貼る位置のマークが分かりにくいという問題がありました。それをひと目見て分かるように改善したところ、一気に組み立てやすくなって作業効率が上がり、ロスが少なくなりました。
――なるほど。貼る位置がずれると心配になってしまう人もいますものね。効率が良くなれば、ストレスも減りますよね。
そういうことは、なかなか気がつかない部分だと思います。やたらロスが多いとか、組み立てづらいと思うようなことがあれば、弊社で改善策を提案できます。現場の人たちにとっても、作業が速くなる、間違いが起こりにくくなることにつながります。
――気になったことがあれば一緒に相談に乗りますよ、ということですよね。
自分たちが作っているものは、すごく良いものなのに、なぜか売れないという場合は、函や紙袋、販促ツールなどを改善すると、良い結果に結びつくことがあります。そういうところで困っている人が、ぜひ気軽に声をかけてくれたらと思いますね。
――本当にそうですね。この記事も、函のことで困っている人たちの目に止まると良いなと思います。
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