シングルマザーのお金や生活の不安によりそうFPがいた

 

まずは、「大丈夫だよ」と伝える

シングルマザーのお金や生活の不安によりそうFPがいた
 

――世の中の女性たちにはどんな悩みごと、困りごとがあるとわかりましたか。
ご相談を受けるのはひとり親の方がメインなのですが、そうではない方もいらっしゃいます。ひとり親の方について言うと、やはり家計のことですね。すでに離婚されているか、もしくは離婚が間近で離婚後の生活を想像できない、どんな家計スタイルになるのかが分からないという悩みです。結婚していたときの生活にゆとりがあった場合だと、そういったことが余計見えないわけです。離婚後の家計のことを考えて、離婚しようかしまいか考えている、というのが一番のお悩みで、離婚して子どもを大学までやれるか、それともこのままやり過ごして離婚せずにいくかとか、そういったことで揺れている方が多いです。
――DVなどの相談もありますか?
DVに関しては、私個人への有料相談ではあまりありませんが、公的機関でのひとり親相談、ひとり親家計相談では、DVや夫の借金に関する相談もよく受けます。母子生活支援施設(シェルター)で講座を開催させていただく機会があり、そこでの参加者にはDV経験を持つ方が多くいらっしゃいました。
――シングルマザーからの相談に対して、どういうアドバイスをされているのですか。
相談にいらっしゃる方々は、その時点では相談内容を冷静にまとめられる心理状態でないことがほとんどです。今苦しんでいることをとにかく誰かに聞いてほしいという状況で、涙しながら話される方も多いです。そうした方に対し、ひと通りお話を伺い、状況を整理したり、私なりに気づいたところをお伝えたりして、まずは気持ちを軽くしていただけるようにしています。
――どんなところがポイントになりますか。
まず、悩んでいる理由が何かということですね。DVの場合はすぐに適切な機関につなぐべきなのですが、ご本人はそれをDVと思っているような、いないような、自分の境遇を「これはDVだ」と認めることをためらう方も非常に多いんです。そこはもう即背中を押して、適切なところにつなぐわけですね。
――そのような緊急を要する方でない場合は、何を聞きますか。お金のことですか。
自分もそうでしたが、「自分なんか仕事見つからない」「自分じゃやっていけない」というように自己肯定感が下がってしまっている方が多いので、なんとかして気持ちを少しでも軽くして、前に進む気力を出していただくことが大事です。自分自身の体験を話したりして、大丈夫だよということを伝えてあげることが第一ステップですね。初回の面談では、むしろお金の話には全然ならないこともあります。
――お金の話としては、公的な補助の話になりますか。
ひとり親の家計がどんな感じかということを最初にシミュレーションします。働き方や収入によってひとり親に出る児童扶養手当(東京都の場合は児童育成手当)、ひとり親に限らず出る子ども手当など、いくつか手当があるのですが、そういう制度を把握していない方も多いので、これくらいの収入だとこれくらいの手当てになるということを話します。ほとんどの方は子育てと働き方のバランスで悩んでいるので、手当てと、ご自身の体力などから、どういうお仕事を探したらいいか一緒に考えていきます。仕事が先ではなく、家計を見てから、子どもを自分ひとりで育てていくイメージや、住む場所のイメージをもってもらって、それから、これくらいの給料ならやっていけそうだということを押さえるわけですね。そしてお仕事探しになり、社会保険のこともきちんとお伝えして、入ったほうがいいとか入れるところがいいとか、そんなことも話します。
一番は、生活のイメージと家計のイメージですね。精神的につらい日々を送っているため、体調を悪くされている方も多いです。
――体調が悪いと、仕事を探すのも大変になってしまうでしょうね。
直近でどうやって生活の形をつくるか、まず今を変えて、将来、未来という順番ですから、普通のFPが行っているお金の相談とはちょっと順序が違うことになりますね。

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教育費の問題、仕事の問題
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