体当たりのバックパッカーで世界一周した女性経営者に元気をもらった

一番輝ける場所を探して、女性経営者に

株式会社トライフル
株式会社トライフルのコーポレートサイト

 

―2周目の旅から帰国して、株式会社トライフルという企業を創業されました。
バックパッカーとして1泊600円くらいの宿に泊まりながら、世界中のバックパッカーや現地の方、特に発展途上国の知り合いがたくさんできました。皆さんが口をそろえて言っていたのが、「日本に行ったことがない、いつか日本に行きたい」ということです。日本語が話せる人もたくさんいるのですが、お金やビザの問題で簡単に来られないんですね。自国では頑張って働いてもなかなか良いお給料をもらえる仕事に就けず、その生活から抜け出せないでいる人もいます。私はそういう方々に助けていただきながら旅ができたので、恩返しとして、日本にかかわるお仕事を提供したいと思ったのが創業のきっかけです。
―事業内容を紹介してください。
日本では正社員として採用されるのはかなりハードルが高いですが、単発の仕事なら比較的簡単に企業も外国籍の方を雇いやすいはずです。そこで、イベントや展示会などで外国語対応が必要な単発仕事にこだわって人材紹介をやっています。基本的には1日から3日くらいの短期の派遣がメインです。
―女性経営者としての苦労もあったのではないですか?
プラスとマイナスがあります。注目されやすいことはプラスと言えますが、居づらさやプレッシャーを感じるのはマイナスですね。相談できる相手や仲間が少ないこともマイナスです。業界団体の懇親会などでも、新入会員の紹介で壇上に20人くらい並ぶと、女性は私だけです。他の方は40~50代で私がダントツに若くてひとりだけ女性だったので、真ん中に立たされるし、カメラのフラッシュをたかれるし、周りも「なんだなんだ」となって。
―若い女性経営者は物珍しげに見られがちですね。
交流会で会った人から「御社の仕事に興味がある」と言われ、起業したてだからうれしくて、「ご飯を食べながらお話でも」と言われて行ったら、ビジネスの話は一切されずにセクハラみたいなことをされたり。そんなことばかりで心が折れそうになりました。それ以来、実績がたまるまでは顔も出さずにインターネットだけで集客していました。自分でも営業は合わないと思っていましたし。
―世界を見てきた久野さんから見て、日本人の良いところ、悪いところは?
良いところは、優しい人が多いことです。助け合い、治安の良さ、清潔さは他の国では見られないですし、サービスもちゃんと出てくるのが基本的な水準で、その基本的な水準がすごく高いです。海外では店員のサービスが良いということは基本的にありません。ちゃんとしたものが出てこないことすら多々あります。日本はそういうことがほとんどないですよね。
悪いところは、規格外のものを排除するというか、受け入れないところです。私はもともと育ちも性質も「普通」から少しずれた、規格外なところがある人間です。変わったことをしようと思っているわけではありませんが、素を出すと常識から外れてしまうところがあって、最初のころはいろいろ厳しい意見をいただきました。
―日本人は「型」が好きですからね。
不文律があって、そこからはみ出す人に厳しい意見を投げつけたり、決められているルールを変えようとすると、なぜそういうことをするのかと抵抗する。よくないなと思います。
―今はコロナで、外出も旅行もしにくいですね。
そうですね。コロナ前はビジネスも含めて年に4回ほど海外に行っていました。イベント業界はコロナ禍で最も大きな被害を受けた業界のひとつです。海外の案件もかなり止まっていてストレスなんですが、そんな中でも、コロナだからこそ出会えた人もいますから、今の特殊な環境だからこそできることを見つけていきたいですね。
最近、「withコロナ時代対応メニュー」を作りました。インフルエンサーを手配したり、静止画や動画を撮影したり、海外現地情報レポート、モニター・調査、WEB会議やイベント用人材の手配、翻訳、オンライン講師の手配などです。
人材業というものは、人が欲しい企業があってこそ成立します。だから、私たちが素敵だと思っている人に仕事をあげたくても、なかなか欲しいと言ってくる会社がないことがよくあるんです。そういう人たちに活躍の場を与えるために、私たち自身が事業を持ったほうがいいなと思って、今後はアパレルやコスメでの展開を考えています。
―本当にやりたかった仕事にたどり着いたという感じですね。
何かに合わせようとしてもはみ出てしまう、自分の素のままで評価してくれるようなこと、無理せずやっていけることが、自分が一番幸せに輝けると思っています。世間一般に合わせようとしていたころはすごくつらかったし、結局それでやったことは良い経験ではありましたが、遠回りだったと思うんです。遠回りをして結局自分の素のままのところに戻ってきたという感覚です。人それぞれ個性があって、その人が輝ける場があるんだと思います。

 

インタビューを終えて
「自分のやりたいことに従って行動するのが一番」という久野さん。最初はたくさん傷つくことがあるかもしれないけど、それを無理に矯正したり、あきらめたりする必要はないという力強い言葉に、一歩踏み出して挑戦する勇気をもらいました。こうだからできない、そんなことを言っても、というのは自分がやらないことに対しての言い訳なんだなー、と反省した榎並でした!
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