体当たりのバックパッカーで世界一周した女性経営者に元気をもらった

日本人は、世界一周しないと損?

ブラジルといえば…
ブラジルといえば……ダンダカ ツカタッ!

 

―バックパッカーには憧れるけど、語学力がないから……とあきらめる人が多いのでは?
語学力がなくても旅している方はたくさんいます。日本人バックパッカーで私より英語が話せた人はほとんどいないほどで、ほとんど話せない人もたくさんいました。もちろん話せたほうが現地の方と交流できますが、旅すること自体に語学力は必須ではないんです。
―言葉の問題で苦労はしなかった?
最初にニューヨークに行ったときは、一応、英語で自分の意思を伝えられるものの、たどたどしかったですね。ネイティブの英語ってすごく速くてついていけないんです。頑張って英語で話したいと思っていましたが、かなわないと思い知らされました。
ニューヨークで泊まった家は奥さんが日本人、旦那さんがアメリカ人で、娘さんがハーフでした。奥さんは日本人なので話せる、娘さんの言うことも少しわかる、でも旦那さんの話は一切わからない。頑張って英語で話して奥さんやお子さんに助けてもらっていたら、旦那さんが「僕がいると話がつまらないだろうから、別でご飯を食べるね」と言って、ショックでした。何年後かにまたお邪魔させていただいたときは、ご家族3人でお酒を飲んで、ある程度普通に話せるようになり、本当に頑張ってよかったと思いました。
―今ではかなりネイティブに近くなりましたか。
超ペラペラなわけではないですが、ネイティブとも会話ができるほど英語力を磨けたので、苦労してよかったと思います。
―英語以外の言葉は?
英語を話さない国でも、数字や簡単な単語なら通じると思うじゃないですか。でも南米はスペイン語圏で、数字も何も通じませんでした。教育を受けていない人がたくさんいる国では、英語の数字や簡単な単語も一切通じません。だから今、頑張って週5で中国語、週1でスペイン語を勉強しています。スペイン語と中国語は大丈夫になりました。
―中国語って、日本人が習得しやすいそうですね。
母国語が何かということで難しさが決まるんですね。日本人にとって外国語が難しいのは、文法や語順が日本語と違うので、脳の切り替えが追い付かず慣れるまでに時間がかかるからです。実は英語の並びや規則性は割とシンプルなので話せる人も多いですが。
あと、スペイン語は日本語と発音が近くてシンプルだし、文法も難しくない。ただ不規則動詞が死ぬほどあって覚えきれなくて、そこで今つまづいています。
中国語は日本人に馴染みのある漢字ですし、語順も英語と同じなので、英語ができる日本人は中国語も覚えやすいようです。
一方、日本語は語彙が豊富すぎて難しいようですね。「自分」を表す言葉は、英語なら「I」、スペイン語なら「Yo」、中国語なら「我」とひとつしかありませんが、日本語には10も20もあって、意味合いも微妙に異なりますよね。ニュアンスが豊富で難しいようです。発音や文法はそこまで難しくないと思うのですが。
―ところで、世界一周でかかったお金はどのくらいでしたか。
1回目は120~130万円、2周目は7、80万円でしたね。飛行機はLCCでしたし、現地でも一泊600円の宿でしたから金額的には節約できたと思います。
―どんなところで節約するんですか。
飛行機や交通費でかなり節約できます。ネットで調べて、普通の人が少ない平日などを狙って航空券を選べば何分の一にもなります。飛行機の予約サイトをずっと眺めながら、安い日を狙って飛んでいました。
―やりたかったけど我慢したこともありますか?
普通の旅行なら、ちょっといいものを食べたいとか、これしたいあれしたいがありますよね。でもお金が限られていますからレストランには入らず、スーパーで現地の食材を買って現地の子に料理を習って節約しました。レストランに入るときも、ガイドブックに載っているような観光客向けのキラキラの店ではなく、ローカルの人が使っているレストランに行ったり。逆にそのほうがすごくおいしい料理があったりするんですよね。
旅の楽しみはやはり“食”!

 

―私も胃腸が強いほうなので、現地の人が行くような店に必ず1回は行きます。安いうえに量が多かったりおいしかったりして。
ただ、バス移動はもうやりたくないですね。南米は飛行機が高いので基本的にバス移動なんですが、距離が半端じゃなくて、24時間移動になるんです。かなりきつかったので、もう勘弁してほしい。スリが怖くて安心できないし。
―「もう帰りたい!」と思ったこともありましたか?
私は一度決めたらやりきるまで投げ出さないタイプなので、そこまでは思いませんでしたが、自分はいったい何をやっているんだろうと思うことはありました。旅だけをしていて、職もないし、帰った後にあてがあるわけでもないし。旅が何かの役に立つことはあるのだろうかと考えたことはありました。
―嫌だと思ったら帰ってくればいい?
帰ってくればいいです。決めごとはないので、自分の心に従えばいいと思います。
―旅を続ける「コツ」みたいなものはありますか。
コツと言えるか分かりませんが、すべてを楽しむことが一番です。良いことも嫌なことも、大変なこともありますが、後になれば全部良い思い出ですし、特殊な経験を持つこと自体が宝物になります。
あと、私は最近ミニマリストなんです。バックパッカーに行って以来、断捨離にこだわるようになって、出発したときの荷物は制限ギリギリの24キロくらいありました。でも荷物が多いと、ものごとも人間関係も維持するのにエネルギーを使うんです。携帯で、バックグラウンドアプリが意外とメモリを食うのと同じで、いろいろ抱えていると新しいものを取り入れるエネルギーがなくなり、大事なことが見えなくなる。それで断捨離をするようになって、最終的に帰国したときの荷物は16キロくらいでした。
―服とかはどうするのですか?
服も着るものだけ持って行って、他は買って捨てたり、誰かにあげたり、売ったり、送り返したり。日本でも、今の季節は冬物をどんどん手放しています。
―断捨離で必要なものが見えてくると。意外と役に立つ持ち物は?
私が重宝したのは折り畳みハンガーとS字フック。何にでも使えるんです。洗濯物を干したり、ちょっと物をかけておいたり。ハンガーがないこともあるので、持って行ったほうがいいです。
―世界一周旅は誰にでもお勧めできますか。
バックパッカーの間では、「パスポートとお金と勇気があれば、誰でも世界一周に行ける」とよく言われます。実は、日本人に生まれたというだけで世界一周には有利なんです。日本のパスポートは世界で一番強くて、ビザなしで行ける国が190か国以上と世界で最も多い。インド人の友達は50か国くらいしか行けません。
でも、トルコ人の友達から「世界一周するのにいくらくらいかかるの?」と聞かれたとき、200万くらいだと答えたら、「impossible!」と言われました。トルコの平均年収は日本の3分の1ほどで物価も結構高く、彼女にとって200万円を貯めるのは不可能なんです。日本にはお金を稼ぐ手段もいろいろあり、恵まれているから、「誰でも世界一周できる」なんて言えるんだなと思います。
この記事を読む方も日本人だと思いますが、日本人であるだけで世界一周に行きやすいということを知ってほしいです。少しだけ勇気を出してお金を貯めて、パスポートをとったら世界一周へ行けます。

 

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