奈良にはやはりウラ若き本気の伝統工芸作家がいた

 

渋くて、モダンで、アジア的


 

―もともと絵がお上手だったんですか。
うまいかどうかはわかりませんが、好きでした。絵の教室などにも行ってました。絵を描くよりも粘土細工などの造形の方が好きでした。もっと絵が得意だったら、「蒔絵」(漆で絵を描き、金属の蒔絵粉を蒔いて付着させる技法)をやっていたかもしれませんね。
―細かい作業が好きなんですか。
漆をやり始めて、私は非常に細かい作業に向いていることが分かりました。特に集中力が要る作業ですが。
「細かい作業に向いていました」。

 

―この作品は何というものですか。
シダ科のシノブという植物をモチーフにした沈金仕様の酒器です。この模様を使う人は多いと思います。

奈良にはやはりウラ若き本気の伝統工芸作家がいた

「沈金」を施した八尾さん作の器

 

―本当にきれいですね。これから極めたいこと、うまくなりたいことはどんなことですか。
まだまだ習得しなければいけないことばかりです。関係するすべての技術を向上させないといけませんし、ひとつひとつの完成度をもっと上げないといけません。沈金では 自分の「ベストな彫り」が常にできるようになりたいです。彫りの深さや角度で光り方などが変わりますが、彫りの深さや角度は日々のコンディションなどでも変わります。それが変わらないようにしたいです。
―八尾さんの作品の特長、得意な部分はどこでしょうか。
やはり「細かさ」でしょうか。私の作品をご覧になった方が、「渋くて、モダンで、アジア的」とおっしゃったことがあります。そうしたことを意図しているわけではありませんが、それが今後の自分の強味にもできるかもしれませんね。
―奈良の文化や文物もシルクロードの文化に影響されていますね。アジア的というのはそこから来ているのでは。
では、そうしておきましょうか(笑)。
―伝統工芸作家さんとのコラボ作品を拝見しました。
これまではあまりやらなかったのですが、どなたかと組んで作ることは今後もあるかもしれません。様々な制約はあると思いますが、やってみたいことでもあります。同じジャンルの作家の方と同じ展覧会をすることはあります。

 
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