バレエダンサーは身体で喋る? 動きの表現バレエにも語彙力は必要だった

できないことがあったら、できるようにすればいいだけ

バレエダンサーは身体で喋る? 動きの表現バレエにも語彙力は必要だった
貞松・浜田バレエ団「海賊」撮影:古都栄二(テス大阪)

 

― 高校を出てすぐに劇団員になられました。
高校生になり貞松・浜田バレエ団の「SHB」という特別クラスに入った頃から、自分も入団できるのかな、と考えていました。進路で迷いはありませんでした。朝から晩までバレエができるのは、私にとって「嬉しすぎる」進路でした。
― バレエをやってきてよかったことは?
作品を作り上げていく中で、みんなと協力・協同し合って完成させていく過程が楽しいです。それを本番で皆さまにお見せできることも、常に嬉しいことです。自分が出演していない作品でも、それを見るのが勉強になります。舞台「海賊」で文化庁の賞を戴き、代表の貞松正一郎先生が泣いて喜ばれたときに「私もこの作品に関わることができてよかった」と思いました。
― つらい経験、苦しい経験などもありましたか。
それがないんですよ(笑)。
できないことがあっても、できるようにすればいいだけなので、つらくありません。このバレエ団の家庭的な環境に恵まれすぎているのかもしれませんが、これまで人間関係で悩んだこともありません。痛いことが嫌で、少しでも身体面で不具合があるとすぐに治しにかかります。大きな怪我や故障を起こしたこともありません。
ただ、コロナ禍で客席数が制限されている今の状況は少しつらいですね。
― 榛名さんの一日を教えてください。
朝はレッスンをし、その後、舞台の練習に入ります。夜は学園の教室で指導をします。子どもさんも大人のコースも指導しています。女性が大半ですね。この業界は男性不足で、問題だと思っています。以前に比べると、社会全体が性差による区別をしなくなっていますし、ダンス人口は増えていると思います。バレエからダンスやフィギュアスケートに移る人はいますが、逆は少ないですね。バレエは「踊り」の根っこにあるものなのかもしれません。

「海賊」リハーサル風景

 

― バレエをしていないときはどんなことをして過ごしておられますか。
「ピラティス」のインストラクターをしています。インナーマッスルを鍛えてボディラインや姿勢を整えるものです。やはり身体そのものに関することに興味があるんです。バレエには、外側の筋肉と共に内側の筋肉も大切です。以前、動きが硬いと言われてピラティスの先生を紹介していただきました。整体マッサージも習っています。筋肉を「流れ」で捉えて治していきます。そういうことによってより動きが柔らかくしなやかになっていると思っています。
夜は、料理中に肉じゃがの煮込み待ち時間などに、鍋を見ながら(笑)、今日あったことを整理してニュートラルにしています。

マスターストレッチ(ピラティス)

 

 

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